鵬翼堂

借りるあほうに買うあほう 同じあほなら読まなきゃそんそん♪

形見

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父が亡くなって4年が経つ。

 

父は洒落者で、大ぶりな指輪を小指にしていた。

 

自分でオーダーで作ったと言っていた。

 

その指輪を、生前父が私にくれた。

 

今はそれが父の形見になっている。

 

その指輪、

 

今年から毎日私の中指にはまって一緒に出勤している。

 

私は人は死んだら無になると思っているので、その指輪をする事で

 

父に守って貰っているとは考えない。

 

が、ふと父を思い出して懐かしむのに役に立っている。

 

 

ある時、

 

地元の居酒屋の常連のRの家に呼ばれて、酒など飲みつつおしゃべりしついた時に、

 

Rが私に言った。

 

その指輪はお父さんの形見だと言ったけど、男性向けのデザインだから、作り直したら?

 

さも、当たり前のように言うRに、

 

えっ?

 

と驚く私。

 

たしかに女性がするには大ぶりだし、石の大きさは4.59と大きい。

 

しかも、おしゃれなRからすれば、指輪のデザインはイケてないんだろうと予想はつく。

 

で、私、Rに、

 

この指輪の石は大きいが余り価値はない事。

 

石が四角いのと厚みがあるので、デザインに制限がある事。

 

私の誕生石はガーネットで、父がそれを知ってか知らずかあつらえた事。

 

今のものを見る事が、父を懐かしむよすがになる事を話した。

 

そして、

 

いつぞやに緊急事態宣言が途切れていた時の事。

 

地元居酒屋のカウンター席の隣同士で話しをしていた時にRが言った。

 

ねー、その指輪、男性向けのデザインだから女性がつけるのはねぇ?

 

指輪作り直さないの?

 

 

えっっ?!

 

2度目のびっくりをする私。

 

以前の説明を忘れたか?

 

それとも、よほど父のデザインが気にくわないのか?

 

とりあえず、以前と同じ説明をしたけど、

 

ほんと、めんどくさぁーと思った。

 

 

自分の感覚が先にたって、人の気持ちは置き去り。

 

空気が読めない人はいるもんだ。

 

 

また同じ事を言われない事を願っている。

 

とほほ