鵬翼堂

借りるあほうに買うあほう 同じあほなら読まなきゃそんそん♪

渡辺淳子 東京近江寮食堂

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初見の作家さん

 

私は、食べ物が出てくる本が好きなんで、思わず購入。

 

また、表紙がすばらしく良くて目を惹きましたわ。

 

笑笑

 

どんだけ食い意地張ってる?

 

というか、飯ラブ。笑

 

 

で、正直、作家さんを気にせず購入しました。

 

クールで現実的な背景に、ぱっと登場人物たちが立体的に立ち上がってくる作品で、

 

わたし的に、お気に入りな文体でした。

 

人情的にしつこさ無く、かといって無味乾燥でなく、

 

辛さ、苦しさを知っている人が書いているとわかる、

 

滋味の優しさを感じる作品でありました。

 

ご本拝読して、あらためて思ったことがありました。

 

人って、みんな、自分の思うようにしか出来ないということ。

 

どんなことも、自分のためにするんだと。

 

たとえ、人のためと思ってしたことも、自分がそうしたかったからと

 

素直に思えることが大事だと。

 

 

8月に入って、母が私の住む街に引っ越して来たいと言い出しました。

 

母は父が残してくれたマンション住まいで、私の家からは電車含め

 

ドアツードアで30分ほど。

 

当初、母はマンションを賃貸で貸して、家賃で食べていこうと目論んで

 

いたのだけど、そう簡単ではなかったの。

 

なんせ、賃貸の相場が安すぎて、生活費なんて出やしない。

 

で、

 

今は、マンションの売買価格が上がっているので、売却しては?

 

と教えてくれる人がいて、その話しを母にしました。

 

知人に不動産屋さんがいたので、もろもろお願いしましたわ。

 

資産相場より高く売れることになって、買主さんも見つかり手付契約に進み、

 

母も、次の住まいを探さなきゃと張り切っていたんだけど…

 

母が、賃貸物件の内見をしたら、気持ちがガラッと変わったらしく、

 

マンションの売却を解約すると言い出した。

 

どうやら、知人の不動産屋さんには既に申し込みしたらしく、事後に私に連絡を寄こした。

 

えっ!

 

なにぃ?

 

なんで、そうなるの??

 

私、困惑しきり。

 

不動産屋さんも驚いて、解約の真偽と、理由をたずねるために私にメールを寄こした。

 

私も理由が定かでないので翌日、落ち着いただろうと見越して、母に電話をしてみた。

 

次の住まいを内見した時に、無性に悲しくなってしまった。

 

今のマンションに死ぬまで住み続けたい。

 

そうとしか、答えようがないと母に説明され、なるほどそうか、なんとなくわかるような気がした。

 

歳を取ると、新しいものが受け入れ難く、また親しんできたものから離れる悲しみが大きいのでは?

 

内見を通して、先の期待より残りの人生のありようを悲観的に捉えてしまったんではなかろうか。

 

母も74歳だし、いつ何があってもおかしくない年齢。

 

好きなように生きるのが、本人のためのような気がする。

 

なので、売却を解消することについて、思うようにすればいいと母には伝えた。

 

まぁ、そんな事があったんだけど、契約解消にあたって手付金の倍返しと、不動産屋さんへ

 

仲介手数料の半金がかかることになってしまった。

 

それでも、母はよいという。

 

まぁまぁ、ならばよし。

 

関係者にはご迷惑をおかけしたけれど、

 

母が自分で、自分の生き先を決めたんだからそれでよし。

 

授業料は、めっちゃ高かった。

 

 

一番驚いたのは、その授業料を払えるお金が母に残っていたことか。

 

笑笑